「さぁ、着いたよ。ここで、今日から僕と二人で暮らすんだ…」
キラはまず自分が降りて、その後、イザークを箱から降ろした。
二人が降りるのをまるで見ていたかのように、箱は下へと降りていった。
部屋の入り口のドアを開ける。
二人が中に入ると、大きな音を立てて、扉が閉まり。鍵がかかる音がする。
イザークの目に広がったのは、まず天蓋付きのベッドが一つ。そして大きな窓が一つ。
その窓の手前に椅子が2脚とテーブル。
キラが、イザークを連れて、まず右側にある扉を開く。
右側の扉には衣装部屋だろうか、大きな衣装ケースが沢山ある。
そこを出て、今度はベッドのある部屋を左に移動して、扉を開けると、まず、洗面所。
そのまた左側に二つ扉があり、どうやら、バスルームとトイレのようだ。
箱型の乗り物殻下りたところを中心とすると、この最上階の部屋というものは、
ドーナツ状になっているようだ。
「ここにおいで…」
一通り、部屋を見て周り、キラは大きな窓の前にイザークを呼んだ。
断る意味もなく、イザークは黙ってそれに従う。
窓はどうやら開くようだが、内開きのようだ。そして、鉄格子もされており、四角い穴からしか外を確認できない。
丁度その窓からは、ヤマトの城下を望むことが出来た。
黒い家々。淀んだ空気が、部屋に入ってくる。
嗅いだことの無い、鼻をつく嫌な臭いに思わずイザークは咽こむ。
キラはイザークが咳き込んだことで、窓を閉める。
「此処から、もっと遠く…何が見えると思う？」
閉められた窓、そして、鉄格子の四角い穴からイザークは目をこらしてみた…。
そして、ずっと遠く。
七色に光輝く物を見つけた…。
「あ…光白城？」
「そう。君が捨てた国の象徴が見えるだろ？」
「っ！！」
後悔しろというのか。
イザークはキラの方を向き、精一杯睨んだ。
誰のせいで国を捨てなければならなかったのか。
「貴様！！」
さっきはアスランがいたが、今はいない。
一発殴ってやらないと気がすまない。
「おっと…僕は、自分に危害を加える人間には容赦ないよ？」
振り下ろされた手を、上手く受け止め、イザークを引き寄せる。
苦しいぐらいの抱擁。
イザークは必死になってもがく。
「離せ！！！」
「僕のモノになるのがどういう意味なのか…教えてあげよう」
キラは、無理やりイザークの唇を奪った。
顎を押さえ込んで、無理やり上を向かせる。
息継ぎをしようとイザークが薄く唇を開けると、それを見計ったようにキラの舌が滑り込んでくる。
余りの気持ち悪さ。
イザークは、キラの唇を噛んだ。
ガリッと音がして、キラが無理やりイザークを引き離した。
キラの下唇から血が滴る。
彼は、イザークをにらみ付けた…イザークは、余りの恐怖で、ついに逃げ出す。
どこでも良かった。
部屋の入り口まで行き、扉を開けようとするが、外側から鍵がかかっているようでびくともしない。
「逃げられないっていったはずだよ？イザーク…。
僕に傷を作った人間は…君が初めてだ」
キラは早足で、扉を開けようとするイザークの手を引っつかみ、無理やりベッドへと引き入れた。
ドサッという音がして、イザークが倒れこむ。
そして、抵抗を許さないというように、その上からキラが覆いかぶさった。
これから何が起こるのか…。
もう、わからないイザークではなかった。
「これから何をするか…わかるよね？」
体を押し返してくる両手を、キラは、左手でイザークの頭上に押さえ込む。
「やっと君が手に入る…」
キラは詰襟の服をイザークを押さえてない、開いているほうの手で緩めながら、
うっとりとつぶやいて、彼女の仰け反った首筋に、軽く歯を立てた。
ギシギシとし鳴るベッドの音。
「はぁ…あぁん…もう…止めて…」
何度目かさえわからない行為。
最後の最後まで、足を開くことを拒んだが、一度崩れてしまえば、後はもうどうすることも出来なかった。
キラは無理やりイザークを犯し、今もまだ体の一部は繋がったままだ。
キラが上からイザークを見下ろす。
「まだだよ…イザークも気持ちいいだろ？」
そういって、自分との結合部を優しくなでれば、イザークはビクッと反応する。
イザークは、縋るものも無く、自分の腕や体を掴んだが、キラがそれを止めさせ、
自分の背中や腕に縋りつかせようとした。
最初は抵抗したが、最後は自分からキラに抱きつき、爪を立てていた。
「んぁ…」
涙で顔をぐちゃぐちゃにして、停止を請う。
イザークの股から足にかけて、血の筋が何本も流れた。
最初の衝撃で、イザークは意識を失いかけたが、止まらない激痛がそれを許さなかった。
しかし、彼女の体はその後、立て続けに行われた行為で慣れてしまい、今では、貪欲に快感を貪る。
キラの少しの動きで反応する身体。
現に今も、彼を銜え込んで放さない。
いくらやめてと言っても、キラにはわかる。
まだイケル。
「休憩はこれくらいしにして…動くよ」
「んぁ…止め…あぁぁ…んぅ」
無意識に、キラの動きにも合わせるイザーク。
緩慢だったキラの動きがだんだんと早くなるにつれて、イザークの息は上がる。
「やだ…あぁん…もう…ダメ…」
「イっていいよ…でも、まだ終わらせない」
耳元に響く、美しくも残酷な声音。
「いやぁぁぁぁー！！！」
キラの動きに耐えられず、先にイザークが達する。
その後を追うようにして、キラもイザークの中にすべてを吐き出した。
地獄はまだ終わらない。
無理やり、キスをされ、抱かれた。
結局、夕方から朝まで、永遠と陵辱行為は続いた。
イザークが、気がついたのは、もう日も高く昇った正午過ぎ。
あの悪夢のような行為の後が、生々しく残っているベッドで、目が覚めた。
キラはいない。
乱れたベッドに一人だが、ホッとする。
しかし、イザークは、起き上がりたくても、起き上がれなかった。
下半身にまったく力が入らず、腕の力で起き上がっても、それを保っていられないため、またベッドに逆戻り。
それが何度か続いたが、何回目かで漸く、ベッドヘッドに掴まることが出来て、上半身をそれに預ける。
城から連れてこられた時から身につけていた、ジュール王国独特の衣装は、
キラにより引きちぎられ、今は無残にベッドの下の絨毯に落ちている。
「はぁ…」
イザークは、その破けた服をどうにかして拾う。
シーツは汚れているため、巻きつけたくない。
しかし、服がなく心もとないので、とりあえず今は破けたものでも我慢できる。
それを肩から掛けた。
今は、とにかく…。
「シャワー…浴びたい」
この身体の汚れを隅々まで洗い流したかった。
イザークは、ゆっくりと絨毯に足を着け、立ち上がる。
ふらふらすると同時に、足へと流れる、自分の中にキラが出したもの。
「うっ…」
こみ上げる吐き気を我慢して、イザークはバスルームへと向かった。
たった5メートルの距離が、永遠に感じるくらい長い。
バスルームのドアにたどり着いて、中に入り、鍵をかける。
タオルがあることを確認し、掛けていた服を脱衣所において、中に入る。
中は思いのほか広かった。
バスタブにタイルの敷き詰められた、洗い場。
バスタブの中に入り、座り込んで、シャワーヘッドを手に持ち、蛇口を捻る。
「はぁ…っ！」
最初は水だったが、次第にお湯に変わっていく。
ところどころに付いた傷がしみる。
キラに縋りつきたくなくて、自分の腕を力いっぱい掴んだり、握り締めたりした。
顔に水がかかると、噛み締め過ぎて切れた唇が痛い。
此処から出たくない。
もう…あんなのは嫌だ。
なのに、地獄は何度も蘇る。
突然外側から、バスルームの鍵が開いた。
「いないと思ったら…ここにいたの？」
「！！」
バスルームに、キラは突然現れた。
イザークは、驚いて、バスタブに掛けてあったバスタオルを体に掛ける。
驚いた拍子に、シャワーヘッドが手から離れて、洗い場のタイルの上に落ちる。
そして、それがキラの服を濡らした。
「別に・・・いまさら隠すことないのに。ねぇ」
「…出て行ってくれ！！」
バスタオルをきつく握り締めイザークは叫ぶ。
しかし、キラは自分にかかるシャワーの蛇口を捻って止め、
その場からは動かない。
「誰に命令している？」
見下ろす瞳は、驚くほどに冷ややかだ。
「くっ…」
「まだ…わからないのなら…もっと、知る必要があるよね？」
「自分が誰の物なのか」
「いやぁぁ！！！」
叫び声がバスルームに響き渡る。
キラが、イザークの手を掴んだ。
キスはしない。
一度、噛み付かれたから。
優しくはしない。
俺に従わないから…。
愛は…どうだろうか。
「はぁ…あぁ…うぅん…」
「今朝方までヤッてたのに…イザークは、まだ足りないの？」
「い…はぁあっ！」
イザークの嬌声がバスルームに響き渡る。
バスタブからタイルの洗い場に無理やり引き上げられた。
人間が一人横たわっても十分な広さのタイル。
イザークは押し倒され、いきなり受け入れさせられた。
キラに突き上げられて、揺れる身体。
身体の半分が、自分のものじゃないような感覚に陥る。
「まだ、僕のが中に残ってる…わかる？」
「ひぃぁ！！」
音を立てて、最奥まで突き上げられ、イザークの身体がしなる。
「気持ちいいよ…ホント…。イザークもいいよね？」
「いやぁ…もう、ヤダ…止めて…壊れる…あぁぅ」
タイルにつめを立てて、どうにか意識を保とうとする。
嫌なのに、感じる自分。
嫌なのに、助けを求める相手は、今自分を犯しているこの男だけなのだ。
「もう…だめぇ…あぁ…」
「キラって呼んだら、イかせてあげるよ？」
「んぅ？！」
キラは、急に突き上げる動作を止める。
イザークの、タイルを引っかいていて血がにじんだ指を、キラは自分の口に含む。
ゆっくりと舐め上げると、イザークの腰が揺れた。
「感じてるの？指で？」
「ちがぅ…」
キラは、繋がりを解くことなくイザークを抱き起こして、自分と対面させるような格好にさせた。
「ひぃあぁ！」
彼の上にまたがることで、さらに繋がりが深くなる。
必然的に、イザークはキラに寄りかからなければならなかった。
自分は裸なのに、相手はまったく着衣を乱してはいない。
それが、さらにイザークの羞恥心を煽った。
「早く言わないと、いつまでもこのままだよ？」
耳元で言われる。
「ほら…イカセテって言ってよ！！」
キラは、わざとイザークの腰を掴んで、一度だけ揺らす。
「あぅっ」
でも、それは確実な快感には繋がらない。
もっと欲しい。
「んぁ…キ…ラ…キラ、イカセテ」
虚ろな瞳でつぶやくイザーク。
「あはは…了解」
キラが、笑い、イザークの耳たぶを緩く噛んだ。
「っぅ！」
噛まれた刺激で、また腰が揺れる。
「じゃあ…イクよ」
「いやぁ…はあぁ…」
キラが、イザークを膝の上に乗せたまま、動きを再開させる。
折れそうに細い腰をおもいきり掴んで揺する。
イザークの荒い息遣いと卑猥な水音が反響して、キラをますます興奮させた。
次第に動きが早くなって、先にイザークが達する。
イザークの締め付けに誘導されて、キラも再度内部に放出した。
「はぁ…はぁ…もう…ぉわりに…」
上手く言葉も吐けないまま、イザークは意識を手放そうとする。
それを、自分のものをイザークの中から引き抜くことで止めさせる。
「んぁ…」
出て行こうとするものを、思わず締め付ける。
「まだ欲しいの？？感じた？」
キラは揶揄するように、イザークに話しかけ、今度は彼女を四つんばいにさせた。
「なに…いやぁぁ！！！」
目の前には大きな鏡、それに手をつかせようとするキラ。
「見てみなよ、自分がどんな顔しながらヤラれてるか」
キラはそのまま、イザークの覆いかぶさる。
悲鳴は、塔の外まで突き抜けた。
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