共に見る白銀の朝日2


朝もやが立ち込めている。
海はまだ、薄暗いけれど、遠くの水平線はかすかに明るい。
将臣に手を引かれて、外に出る。
冷たい海風は、あの壇ノ浦を彷彿とさせるけれど。
此処にはもう、あの辛い戦いも、悲しい出来事も無い。

「ほら・・・出てきた」
朝もやに太陽の光が乱反射して、白銀の光が飛び散る。
「綺麗なもんだろ?」
敦盛は言葉が出なかった。
こうやって日の出を見たことは何度も合ったはずなのに。
何時もそれは合戦の開始を告げるものだった。
又辛い一日が始まるのだと、ずっと夜であったらいいのにと。
何度思い続けたことか。
日の光に照らされたこの世界は、こんなにも美しいのに。
「えぇ…とても綺麗です」
涙で、余計に光が反射していた。
「経正にも見せてやりてぇな」
「はい」

大きな太陽が完全に顔を出すと、あたりの朝もやもすっかり晴れた。
今日は一日とてもよい天気になりそうだ。

「じゃあ、温泉でも入って帰るか」
車に戻り、将臣が地図を広げる。
「ここら辺には有名な温泉地が多いんだ、熱海、修善寺、伊豆…どうせなら、海を見ながら露天にでも入りたいよな」
「いいですね…でも、着物ですけど?」
そのまま来たから、敦盛は着物のままで、あまりで歩いて汚したくは無い。
「いいって、それ綺麗だし…自分で着られるんだからさ」
「まぁ…そうですけど」
「旅館とか言ったら浴衣貸してくれるだろ。平気」
よほど温泉につかりたいのか、将臣は結構強引だ。
「判りました、でもどこがどういった感じの温泉なのか私にはわかりませんので、将臣殿にお任せします」
「了解」
将臣がニヤリと笑って、再度地図に目を落とした。



途中スカイラインのサービスエリアで休憩をとり、敦盛が買い物をしている間に将臣は携帯で電話をした。
とある旅館の日帰りプランの空きを聞くために彼は電話をした。
「えぇ…じゃあ、今から行きますから」
予約を取り付けて、敦盛がコーヒーを持ってきてくれるのを待つ。

「ブラックでよかったんですよね?」
敦盛は買ってきた缶コーヒーとサンドイッチやおにぎりを将臣に渡す。
「サンキュ。あ、旅館空いてるって。ちょっと休憩したら、行こう」
敦盛は自分で選んだお茶の缶を開けて飲んでいる。
「はい」
「熱海だから…まぁ、そんなかからないだろう」

一服してから、すぐに又車を出して、将臣が予約した旅館へと直行した。
そこはかなり風情のある旅館だった。
「お待ちしておりました」
初老の女将が二人を出迎える。
「有川です…」
「どうぞ…まぁ、お着物ですのね、あとでお部屋のほうに着物用のハンガーをお持ちしますので」
二人は女将に連れられて旅館の3階の部屋に案内される。
「浴衣はあちらの押入れに、大浴場はこの階の中央にございます。外の露天へは、あちらの内風呂からいけますので」
昼食も頼み、先に二人は大浴場に行くことにした。

さすがに大浴場は男女別れているので、着物を一度脱ぐ敦盛より先に将臣は風呂へと向かった。
仲居が着物用のハンガーを持ってきてくれて、敦盛は汚さないように注意しながら、綺麗に着物をかけ、帯をたたんだ。
「よし…私も」
浴衣に着替えて、敦盛も大浴場の方へと向かった。
広い脱衣所に人はおらず、中にもいない。
時間を見ると9時過ぎなので、丁度宿泊客は初参りに出かけてしまっいるか、朝方帰ってきて疲れて眠っているのだろう。
簡単に身体を洗って、すぐに湯船につかる。
大きな湯船からは、太平洋が一望できる。
「…すごい」
眼下に広がる海は、さっき日の出をみたのと又違う迫力で、いつも砂浜から見ている鎌倉の海とは又ちょっと違う感じがした。
丁度よい温度の湯船はふとすればうとうとしてしまう気持ちよさ。
「早く上がって…ちょっと寝よう」
敦盛はその景色を楽しんだあと、髪を洗わずに風呂を出た。


先に出ていた将臣はやはり疲れたのか、布団を敷いて寝ていた。
敦盛が帰ってきた音で顔だけ向けてくれる。
「寝ててください、私も又少し寝たいので」
「こっち、一緒に寝よう」
将臣が掛け布団を上げて、敦盛を招く。
敦盛は抵抗せずにその中にもぐりこんだ。
「あったけ」
風呂から出たばかりの敦盛の体はまだ温かい。
その身体を抱きしめて、将臣はしばしの眠りについた。

1時過ぎには起きて、2時には遅めの昼食を取った。
豪華な海の幸の昼食に驚きながらも、その美味しさに二人は見事に全部平らげた。
チェックアウトは午後五時。まだ、2時間ある。
将臣は敦盛を内風呂に誘った。
「旅の恥は掻き捨てっていうだろう?」
「…もう」
此処が自分の自宅だったら、逃げるのだが旅館だし、一人になってしまうし。
それに、今日はこの人の温もりを感じていたいと敦盛自身も思ってしまっている。
あの美しい朝日を見せてもらい、こんな素敵な旅館にもつれてきてもらった。
「ほら」

内風呂と露天からも海が見える。
大きな海を独り占めできる風景。
まだ昼で明るいので、敦盛はとりあえずバスタオルを巻いた。
二人で入ればお湯が溢れそうな小さ目なお風呂だが、それでも何か風情がある。
「敦盛こっち」
先に露天に行っていた将臣に呼ばれて、すぐに敦盛も外に向かった。
「海が綺麗だぞ」
「さむいっ」
暖かい中にいるので、いきなり外に出ると寒い。
敦盛は慌てて、外の露天に入った。
「あー…いいなぁ」
狭い露天にギュウギュウになって入りながら、笑いあって。
湯煙の中で。
「幸せになるようにな」
「一生懸命生きましょうね」
額をくっつけて、暖かいキスをした。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしく。





「あの…その…」
ギュウギュウになって露天に入っていたせいで、お互いにいろんな部分が当たる。
「うなじ…色っぽい」
将臣に抱えるように入っているために、将臣の吐息がすぐにかかる。
目の前には海が広がっているのに、後ろの将臣が気になって、その美しい景色を堪能できなう敦盛。
「ぁん」
首筋を吸われて、胸から巻いたバスタオルをとられる。
「声はちょっと抑えてろよ?」
「は…はぃ」
バスタオルを露天の外の岩に置いて、将臣は愛撫を始めた。

張りのある敦盛の胸をもみしだき、下腹部に手を入れる。
「ぁ…っぃ…将臣殿…お湯が…入って」
「じゃあ、ちょっと上がって岩に腰掛けて」
「は…いっ」
将臣はごつごつした岩に敦盛がまいていたタオルをしいて、その上に敦盛を座らせた。
将臣はまだ湯船の中にいる。
彼は敦盛の足を大きく開かせて、その中心に唇を寄せた。
「ま…まさ…いやっ!!」
何をされるのかわかって、敦盛は慌てて将臣の頭を退かそうと髪の毛を掴む。
しかし、強い力で足を抑えられて、あっけなく敦盛は将臣の唇の侵入を許してしまった。
「んあっ!」
「声抑えてろって」
「んうー」
弱い部分を噛まれ、座れ、中まで舌を入れられて。
必死に指を噛んで声を抑えようとしても、襲う快感は強すぎる。
ぐちゃっという音がしてきて、将臣が指も入れて中をほぐす。
暖かい温泉にいた敦盛の体はよいかんじでほぐれており、将臣の指を難なく受け入れる。
「もっ…あふっ」
将臣が指を動かすたびに、ぴちゃと卑猥な音が聞こえては海風に消えていった。
「イク?」
「あっ…だめ…そ…んっ…んーんーんー!!!」
両手で口を押さえても、かすかにもれる声に将臣はゾクゾクした。
指を増やし、角度を変えると、敦盛は身体をしならせて、達した。
「はっ…はぁ・・・は…ふっ…」
達して、力が抜けた敦盛は将臣に倒れこんできた。
「まだまだだけど?」
「ぁ…」
敦盛の太腿に、お湯よりも熱い高ぶりが触れた。





「岩に手つけて…」
露天風呂の中でも、一際大きな岩に将臣が敦盛を押し付けた。
「そう、俺が支えるから」
力が抜けても大丈夫だ。
そういわれながら、将臣の熱くたぎったものが、敦盛の内部に後ろから入ってきた。
「あっ…んぅ」
ゆっくりとそれでも、力強く将臣が入ってくる。
敦盛は片足を抱えららて、より深くつながれるようにと腰にもがっちりと手を回される。
敦盛はただ手が傷つかない程度に岩を掴むしかできなかった。
慣れない後ろからの挿入は、理性を崩壊させるには十分で、敦盛は直に感じていた。
気持ちよくても、外だということで思う存分声を出せない辛さ。
それでも、必死に声を殺す彼女の姿に将臣も理性を崩していった。
「んーんー将…おみ…殿。もう…イカセテ…ください」
「俺も…」
動きが早まって、将臣は今にも崩れ落ちそうな敦盛の身体をそのたくましい右手でしっかりと支え。
最後の頂へ向かうために。
動きを早めた。

「あっ…お湯が」
中に出された将臣のものが、敦盛の股を通って、お湯に落ちる。
「汚れます」
「よっと」
将臣は慌てて、敦盛を抱き上げた。
「まぁ、かけ流しだから大丈夫だと思うけど…さっさと内風呂に移るか」
内風呂に移っても、結局敦盛は、再度美味しく将臣に頂かれてしまい・・・。
敦盛は域も絶え絶えになりながら、それを受け入れ。
ふらふらで着物を着て、結局は帰り際に女将に直してもらうことになった。



END
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