shampoo
今日の訓練も疲れた。
イザークは、クルーゼ隊の面々と共に、訓練を終えた後、更衣室に戻った。
更衣室は、各人に個室が宛がわれ、中央にはメンバーの待機用の広場のようなものがある。
その広場に続くように、さらに奥に個室のシャワールームがある。
「僕らは、明日も早いので、部屋に戻ります」
ニコルとディアッカ、ラスティーは明日が朝番なので先に戻るようだ。
ミゲルは別任務でまだ帰っていない。
イザークとアスランは、明日は昼からの勤務であるので、急いで部屋に戻る必要もない。
イザークとしては、早くのこの汗まみれの身体をどうにかしたかった。
個室でモビルスーツを脱いで、さっさとそれをドライクリーニング用のダストボックスに入れる。
イザークは、Tシャツと短パンの格好で、バスタオル、着替えその他もろもろを持ち、
シャワールームへと入った。
すでにアスランが入っているのだろう、水音が聞える。
イザークは彼から、一つ開けた個室に入った。
シャワーヘッドより高い位置にある棚に着替え等を置き、下の棚にはシャンプーとリンスを置く。
ボタンを押して、水を出すとどうしても最初は水が出るのでまぁ、しょうがない。
「つめたッ」
水が温まるまでの間に、イザークはTシャツと短パン、下着を脱いだ。
Tシャツが汗でへばりついて気持ちが悪い。
足元にかかるシャワーが暖かくなっていくのを確認して、イザークはそれを全身に浴びた。
「ふぅ」
気持ちよさに自然とため息が漏れた。
さぁ、身体を洗おうと思ったら、アスランの声が聞えた。
「イザ?ちょっとシャンプー貸して」
「…私にこの格好で行けというのか!!この変態」
全部脱いでしまった。
確かにこのシャワールームはクルーゼ隊しか使用はできないし、ニコル達も部屋に帰って、
二人だけだが、さすがに裸でうろつくのは憚れる。
「だって、切れちゃったんだよ。石鹸で洗うと、バリバリになるし…
俺がそこまで行くから、手出してくれるだけでいいから」
「わかった」
少しするとアスランがイザークのシャワールームのドアをノックする。
イザークは仕方なく、シャンプーのボトルを空いた隙間から差し出した。
アスランはボトルを受け取ると、逆の手でドアを閉めるイザークの手を止めた。
「おい!!」
「イザークv」
そのまま、変態はイザークのシャールームまで入ってきたのだった。
「ぎゃー」
イザークは、さすがに慌てて、その場に座り込んだ。
「へへっ」
「きさまぁ〜この、変態が!!」
人が二人も入れば、いっぱいになる広さの部屋。
イザークは、できるだけ端っこに逃げて、身体を隠すようにしゃがんだ。
「早く出て行け!」
「いいじゃん、誰もいないんだし・・・たまには、変わったシチュエーションで楽しむのもありだと思うよ?」
上を見上げると、イザークが出しっぱなしにした、シャワーを浴びつつも、楽しそうな顔をイザークに向ける。
こういう、変態チックな考えを持ってなければ、好青年で通るのにとイザークは思う。
今も、腰にタオルを巻きつけただけの格好だが、引き締まった筋肉と、
水に濡れた髪と顔はカッコイイ。
「ね?イザ…しよ」
アスランは何とかイザークを立たせようとして、彼女の手を取ろうとするが、
叩き落とされる。
仕方が無いので、アスランもしゃがみこみ、彼女の頬に両手を当てて、
強引に唇を奪った。
「アス…むっ・・・んっ・・・ん〜〜」
舌を入れられ、上あごをくすぐられる。
アスランの舌が、縦横無尽にイザークの口腔内を動き回る。
アスランはキスが上手いとイザークは思う。
イザークは、経験相手がアスランしかいないので、その辺詳しくは判らないが、彼にキスされるとすぐにボーっとなってしまう。
「イザ」
耳元で囁かれ、耳を甘く噛まれると、もう逃げられない。
イザークはアスランに手を引かれ、立ち上がった。
しかし、キスの余韻で、壁にもたれかからないと立っていられない。
「まだ、身体も洗ってないのに…」
「じゃあ、俺が」
イザークは、余計なことを言ってしまったと思った。
しかし、それはすでに遅く、アスランは自分の手にボディーソープを取り、イザークの身体に塗りたくった。
「冷たい」
「最初はね」
アスランの手が、首、鎖骨、わき腹を滑るようにして降りてくる。
「あっ」
敏感な部分を彼の手が掠めるたびに、イザークの声がシャワールームに響き渡る。
水音でかき消されるが、いつより鮮明に自分の恥ずかしい声が聞える。
「このソープいい匂い。今日から?」
「そう…あっ…だ」
前のボディーソープは確か、バラで、今度は蜂蜜の匂いがする。
甘いもの好きのイザークらしい選択だ。
上半身を洗い終え、アスランの手が下に伸びた時。
さすがにイザークがストップをかけた。
これ以上、触られたら、恥ずかしくて死んでしまう。
「わかったよ」
必死に、懇願したかいあって、アスランの手が止まった。
アスランは、シャワーヘッドを手に取ると、イザークにお湯をかけた。
いい匂いが広がり、イザークの綺麗な裸体が目に入る。
自分の身体もシャワーで流して、アスランはまたイザークにキスをした。
「やっぱり、やめ…」
「大丈夫だって、俺達しかいないし」
「そういう、意味じゃなくて…恥ずかしいんだ!!」
アスランの手が、目的を持ってイザークの太腿を撫でる。
それを必死に手で押さえようとするが、力の差なのかびくともしない。
「いつもやってるじゃないか…何をいまさら」
「こんな所で…その…スルのは初めてだろ?大体此処は…」
これ以上イザークに付き合っていては、中々先には進まない。
アスランは聞く耳持たずで、イザークの最も敏感な部分へと指を勧めた。
「ひぃあっ!」
ビクンとイザークの体が跳ねて、思わず腰が砕けそうになる。
それをアスランが空いているほうの手で支えた。
「っ…アス…やぁ」
「その割には…濡れてるみたいだけど」
指を動かすと、水とは明らかに違うものが、アスランの指を濡らした。
「ばか!」
イザークは、アスランの頭を叩くが、すぐに反撃を食らった。
アスランが、一本だった指を二本に増やしたのだ。
「きゃう」
突然増やされた指に、イザークの体がこわばる。
「ちょっと、力抜いて」
食いちぎられそうな指を、でもけして止めることなくアスランは動かした。
シャワールームに響く、水音とイザークの息使いに、次第にアスラン自身も
限界になってくる。
水に濡れたイザークの肌。
暖かい室内で、蒸気した顔。
快楽に潤んだ瞳。
どれもアスランを刺激するものばかりだ。
最終的には三本まで増やした指を一度イザークの中から抜く。
アスランは、イザークの手を自分の背中に回させ、自分は、
イザークの太腿の内側に手を入れて持ち上げる。
もう片方の手でイザークの腰を支え、彼女を強めに壁に押し付けた。
アスランがイザークと肌を合わせる。
指とは明らかに違うものがイザークの内部に入ってくる。
いつもと同じ行為のはずなのに、立ったままの体位のせいか、いつもより、圧迫感がすごい。
「あうぅ!」
下からせり上がってくるような感覚に、イザークは思いっきりアスランの背中に爪を立てた。
「痛い?」
「ちが…なんか」
「立ったままだからかな?」
アスランとイザークの身長も10センチ近く違うので、立ったままアスランを受け入れると、
どうしても、イザークは片足を爪先立ちにしなければ立っていられなかった。
力を抜くと、その分重力で深くアスランを受け入れなくてはならないからだ。
必死にイザークは持ち上げられていない片方の足で全身を支えようとした。
しかし、アスランの動きが、だんだん早くなると、片足で全身を支えるのが難しくなる。
「あっ…はぁ…ん、アス…下ろして」
「此処じゃ、寝られないよ?それに、この方がイザと深く繋がってる気がするから、
俺は嬉しい」
「でも…も…ムリ…足」
アスランがイザークの床に付いている足を見ると、もう限界のようで、つま先がプルプルしている。
「力ぬいちゃいなよ」
「そ…んなこと…したら、もっと…入ってくる…だろぉ?」
涙目になって、イザークはアスランを睨みつける。
しかし、その顔さえも自分を誘う仕草なのだとイザークは判らない。
この快感に早く流されて、理性を失ってしまえばいいのに。
理性なんて、泡と一緒に流れればいい。
アスランは、頑張って立とうとしているイザークの太腿を下から撫で上げた。
すると、カクンっとイザークの足が折れた。
「あぁぁっ!!」
奥深くまでアスランが入ってくる。
「イザ、キツイ!」
「だっ…て…ふか…い…あっ」
いきなりのことで、思わず中のアスランを締め付けてしまう。
締め付けてしまったことで、よりリアルにアスランを感じて、イザークはパニックになる。
「ちょっと、大丈夫だから」
お湯で濡れた、イザークの髪を掻き分けて、アスランがイザークの額にキスをする。
それを目じりや鼻。
頬や唇に序々におろしていくと、イザークも安心しだしたのか、中が緩んだ。
その瞬間を見計って、アスランが律動を開始する。
後はもう、目指すのは絶頂だけだった。
「あぅ…も…ムリ!ムリぃぃ」
深すぎる挿入に、普段よりも早くイザークが根を上げる。
「じゃあ…このまま、出していい?」
「…はっ、今日は…ヤバイ!ダメ…」
快感に身を任せていたのだが、アスランの一言で現実に戻ってくる。
コーディネーターも第2世代となると子供が出来にくいことはわかっている。
しかし、アスランとイザークの相性はばっちりだった。
調べていなかったので、二人ともわからなかったのだが、付き合いだしたことをきっかけに、医者に調べてもらったのだ。
嬉しいことだが、まだ軍を離れたくないイザークにとっては、もしものことがあったらと思うと、あまり嬉しくなかった。
で、すっかりアスランに流されて行為を了承してしまったが、今日は危ない。
危険日だ。
アスランが、イザークとさっさと既成事実をつくり、
彼女を退役させようとしているのはイザーク本人も知っていることなので、それは阻止したい。
いずれ、本当に結婚したいとか子供がほしいとか自分で思えるようになるまでは。
「アス…ダメだぞ!!絶対…出すなよ!」
「ちぇ…わかりました」
アスランとしても、子供が出来てしまったら絶対に育てる自信はあるし、
養っていける自信もあるけれど、やはり望まれた子供がほしい。
「はぁ…あんっ!…ん…んぁ」
「まだ終わってないんだから、何安心してるの?」
会話のために止めていた動きを、アスランが開始させる。
イザークも、アスランの背中を抱きなおして、素直に従った。
「もっ…イくっ」
「っ」
一際大きく身体を震わせて、イザークが達する。
その際の締め付けに流されないように、アスランは自身をイザークの中から引き抜くと、白濁を彼女の太腿へと吐き出した。
達したことで体が弛緩し、イザークの体が壁を伝ってズルズルと床に落ちてくる。
「はぁ…はぁ…。たく、何がシャンプー貸してだ!」
「じゃあ、今度からはそんな回りくどいことしないで、素直にしようって言うよ」
「バカ」
すっかり冷えてしまったイザークの身体にアスランが出しっぱなしだったお湯をかける。
そして、二人仲良く髪の毛を洗って、シャワールームを出たのだった。
「声聞えてたぜ?お熱いことで〜」
二人仲良くシャワールームを出た瞬間。
待機場にいた、ミゲルの姿にイザークが叫び声をあげたのはまた今度の話。
アスランは、シャワールームで着替えをさせておいてよかったと心から思ったのだった。
END
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